5年以上前のことである。
僕は当時、ジム通いを始めていた。ガリガリだったのだが、だんだんと筋肉がついてきた。
久々に会う人から「たくましくなったね!」などと声をかけられる機会が増えた。
その後のことである。
僕はある女性と飲みの席で、隣になることがあった。
「最近ハマっていることは何?」と言う話題になり、「ジム通いにハマっている」と僕は何気なく答えた。
するとその女性は店内に響き渡るような声で、「ジムに通っている男にはろくな人間がいない!」と叫んだ。
アルコールが入っていたこともあるが、それはそれは尋常ではない怒り方だった。
一体何事かと、和やかに飲んでいた店内の人達が一斉に振り向いた。正直僕には意味が全くわからなかった。
「私は絶対にジムに通うような真似はしないから!」「体型を整えてアピールする人間は大嫌い!」と、怒気を含んだ言葉で続けた。
「まぁそれは勝手にしたらいいけど…」としか僕は思わなかった。
彼女は別に太っていないし、体型に劣等感を持っているようにも思えなかった。170センチ近くあり女性としては高身長の部類に入るだろう。誰が見ても、やや細めの体型に映っただろう。
「ジムに通っている男にその昔騙された」「あるいはひどい目にあった」などと何か嫌な記憶でも焼き付いているのだろうかと思った。
もちろん僕は彼女のそんな言葉で、ジム通いのをやめるはずもなく、今でも定期的にジム通いをして体を鍛えている。
怒鳴ってきた女性とはその後、疎遠になったが、2020年の夏頃、Facebookで彼女が写っている写真を見かけた。
それまでセンターの立ち位置で落ちることが多かった彼女が、隅っこの方で遠慮がちに映っている。「あれ?」と、我が目を疑った。
確かに彼女の面影があるものの、何かが変だ。
そう、自粛期間を経てコロナ太りをしてしまった彼女は、まるでお相撲さんのようにまん丸に太っていた。
僕の脳内で、彼女がかつて放った「私は絶対にジムに通うような真似はしないから!」「体型を整えてアピールする人間は大嫌い!」という言葉がリフレインした。
ここからは想像になるが、あのようなポリシーを持っている以上、ダイエットをするのは非常に難しいのではないだろうか?
まさにブーメランだ。
久しぶりに天海祐希見たけど、やっぱり綺麗すぎる😌💓自分が言った言葉がそのままブーメランになって返ってくるから、そういう言葉は使わないの。って言ってて、かっこよすぎた🥺🥺🥺
— さば🐟 (@sabasabanosabar) November 21, 2020
言葉は怖い。
使い方を間違えると己の行動や生活そのものを封じる、鎖になりかねないから。
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