自分の人生を振り返った際に、「これまでずっと不遇だった……」と感じている人がいる。
客観的に見るとその人の人生や人間関係がうまくいかないのは、当人が向き合わなければならない問題、解決しなければならない重大な問題を見過ごしているから。
端的に言うならば、問題の一番奥深いところにあるのは、拭い去れない劣等感となるだろう。
不思議なのだが、当人には劣等意識に対する自覚がないケースも多い。
「一発逆転を!」「これまで辛かった人生を挽回してやる!」といったエネルギーは、ものすごい。
自分自身に対する無意識の憎悪を含むマグマ、そんなエネルギーを人生の逆転に費やそうというそんな人たちを何度か見てきた。
ある人間は「必ず儲かるから自分を信じろ」と怪しげなビジネスを立ち上げて、数百万円を出資させた。結局、彼は何の利益を生むこともなく、そして出資者に頭を下げることもなく、また次の一発逆転を狙い続けている。
とても不思議なことなのだが、当人は周囲を巻き込み、周りを不幸にしている自覚すらない。
強烈な劣等感の持ち主は、総じて被害者意識も強い。
「悪いのは自分ではなく他者」「うまくいかないのは他人のせい」そういった他責思考をしばしば発動させる。
「根本の解決すべきは、己の内側にある」という発想が、そもそも抜け落ちているのだ。
繰り返しになるが、彼ら彼女らがしばしば孤立し揉め事を起こす最大要因は劣等感である。
自分で変えられることと、そうでない事。
この部分の判断を誤るから、人は揉める。
判断を誤るだけならまだいいのですが、こういった考え方を「知らない」人は、さらに深入りしてきます。
そして当たり散らす…
劣等感や寂しさの反動なのでしょうね。 https://t.co/wOziWzTcJb
— まつもとゆうき (@MatusmotoF) July 30, 2019
自分を愛せないまま盲目的に幸せを目指すのは、チェーンの外れた自転車をずっとこぎ続けてるようなもの。
逆転劇を夢想する前に、すべきことがあるはず。しかし悲しいことに、彼ら彼女らの周囲にはそれを指摘してくれる人間がいない。
いたとしても、無意識にとってしまう嫌われ行動や疎まれ行動によって去っていく。気づけば孤立無援状態になっているのだ。
まずしっかりと自分を愛すというのは、充実感を覚える前向きな人生を送る上で、必要不可欠な要素だろう。
コメント