離職者が続出する職場に、必ずいるのがパワハラ上司。
パワハラ上司の送別会。
みんなスッキリした表情でわらたw pic.twitter.com/01mOreiCQo— 邪鬼 (@yukiusatenfout1) March 31, 2019
彼らは恐れられていますが、同時にものすごく嫌われています。
パワハラ上司から日常的に怒鳴られたり、責められ続けられると余裕をなくすのは当然。
精神的に落ち込みすぎると…
なぜあの上司はいつも怒っているのだろう…?
と分析するような気持ちにすらならないかも…。
もしパワハラ上司がなぜ人を追い詰めるのか、その心理がわかれば少しだけ心にゆとりが生まれるかも?
また人格否定的な言動さえ、いとわないパワハラ上司の心理と憐れな末路について解説します。
パワハラ上司の一部が、自己愛性パーソナリティー障害(自己愛性人格障害)である可能性についても語ります。
- 人格否定をするパワハラ上司の心理10個
- 人格否定をするパワハラ上司は自己愛性パーソナリティー障害(自己愛性人格障害)かも?
- 人格否定をするパワハラ上司は自己愛性パーソナリティー障害の共通点①「自己の重要性に関する誇大な感覚」
- 人格否定をするパワハラ上司は自己愛性パーソナリティー障害の共通点②「『限りない成功』という夢想の虜」
- 人格否定をするパワハラ上司は自己愛性パーソナリティー障害の共通点③「特別視されたがる」
- 人格否定をするパワハラ上司は自己愛性パーソナリティー障害の共通点④「過剰な称賛を求める」
- 人格否定をするパワハラ上司は自己愛性パーソナリティー障害の共通点⑤「強烈な特権意識」
- 人格否定をするパワハラ上司は自己愛性パーソナリティー障害の共通点⑥「あらゆる人を利用」
- 人格否定をするパワハラ上司は自己愛性パーソナリティー障害の共通点⑦「共感の欠如」
- 人格否定をするパワハラ上司は自己愛性パーソナリティー障害の共通点⑧「他人への嫉妬、また嫉妬されていると思い込む」
- 人格否定をするパワハラ上司は自己愛性パーソナリティー障害の共通点⑨「尊大で傲慢な態度」
- 人格否定をするパワハラ上司の末路
人格否定をするパワハラ上司の心理10個
部下の人格否定を平気でしてしまうパワハラ上司。
なぜひどい言動を日常的に繰り返すのか、彼らの心理を分析していきましょう。
【参考記事|自己愛他罰型の被害に遭いやすい自罰者向けの記事▼】
人格否定をするパワハラ上司の心理①「支配欲が旺盛」
パワハラ上司は、何よりも人の上に立つことを好みます。
バリバリ仕事ができるタイプも多く、出世のためにものすごいエネルギーを発揮。
そしてポジションを得たあとは、持ち前の支配欲を全面に押し出して部下を指導します。
無意識に人格否定的なフレーズを浴びせることも少なくありません。
支配されたら負け、支配する側に回るのが正義!
というのがパワハラ上司の基本理念です。
人格否定をするパワハラ上司の心理②「ストレスのガス抜きがしたい」
部下からすれば、はた迷惑な話なのですが、人格否定をするパワハラ上司は自分より弱い立場の人を使ってガス抜きを度々行います。
パワハラ上司はフラストレーションを抱えやすいため、しょっちゅうストレス解消をしなければ彼ら自体が病みます。
パワハラ上司本人が、それを無意識レベルで理解。
こういうタイプのパワハラ上司は、ガス抜きの手段がなくなった途端、精神のバランスを崩します。
人を攻撃し続けないと生きられないプチシリアル◯ラーみたいな人達ですね。
【病的に他人を批判ばかりする人について解説した記事▼】
人格否定をするパワハラ上司の心理③「部下を育てたい」
発端は部下に対する思いなのですが、気がつくとパワハラに発展しているケースも…。
部下を立派な人材として育て上げるのは、上司の責務です。
ただしそのアプローチ方法を間違えるとパワハラになりかねません。
100人の部下がいれば100通りの性格があるもの。
部下の考えや性質を無視して、己の価値観を押しつけ続けた結果、「人格を否定するようなパワハラ行為になっていた」ということは十分考えられます。
人格否定をするパワハラ上司の心理④「時代の流れに逆らいたい」
反逆的な性格のパワハラ上司に多い心理です。
今はハラスメントやコンプライアンスといった考えが浸透。
しかし、かつては「成果を出せば手段は問わない」といった時代がありました。
その時代の洗脳を受けたパワハラ上司は、心を無視したマチスモ的なやり方にただならぬ愛着を持っています。
現代の価値観を持っている人からすれば、
なんて時代錯誤なんだろう…
というのが本音でしょう。
部下の人格を否定するような言動がOKとされていた時代というのも、振り返ると恐ろしいですね。
人格否定をするパワハラ上司の心理⑤「承認欲求が強い」
全員に存在するといっても、過言ではない承認欲求。
承認欲求の強すぎる人間は、パワハラ上司になります。
コミュニケーションの目的は「相手を気持ちよくさせることではなく、自分が気持ちよくなる」こと。
「どれだけ自分の優秀さを見せつけられるか?」という気持ちで仕事にのぞんでいるのです。
こんな上司が、部下の立場を思いやれるわけがありません。
人を傷つけてしまう発言が多く、人格否定的なことを口にしているのに、当人は無自覚であることも多々あります。
人格否定をするパワハラ上司の心理⑥「部下に追い抜かれそう」
仕事のできる部下が台頭してくると、つぶしにかかるパワハラ上司がいます。
この手のパワハラ上司は、部下に人格攻撃をしかけ、自己肯定感を下げるようなことも平気。むしろそれを望んでいます。
部下がグングン成長し始めるとパワハラ上司は「自分よりポテンシャルが高いこの部下は厄介だ…」と、パニックに近い状態へ突入。
今のポジションを守るために必死すぎるあまり、余裕をなくしてパワハラばかりしてしまうのです。
人格否定をするパワハラ上司の心理⑦「過剰なプライド」
過剰なプライドを持つため、パワハラ上司化する人間がいます。
自身のプライドを守るためなら、どんな行動でもとります。
その様は、ほとんど命がけ!
周囲からすれば「なぜすぐに怒るんだろう?」ということも、当人からすれば「面子をつぶされた…」と必死。
本当に自信のある人は、そこまで「なめられたくない!」とは思わないもの。
負の感情を復讐エネルギーに変換して生きてきた、パワハラ上司も少なくありません。
人格否定をするパワハラ上司の心理⑧「劣等感が強い」
一見、自信満々に見える上司が、実は劣等感のかたまりだったということもよくあります。
劣等感にさいなまれやすい人は、比較の世界で生きています。
本来、自信というのは自分をしっかり肯定できるところから生まれます。
他者と比較してばかりいる人は、自分軸を持っていません。
そういった人ほど、己よりも下と見なした人間にきつく当たりがち。
よって人格否定するような言葉を頻繁に発します。
飲食店などで店員に対して横柄に振る舞うのも、この手のパワハラ上司です。
人格否定をするパワハラ上司の心理⑨「傲慢な性格」
傲慢な性格のパワハラ上司のもとは死屍累々。指導される部下が、次々と心を病んでいきます。
実は傲慢さと劣等感には、深い関係が。しかし当のパワハラ上司自身が自分の弱みについて省みる習慣がほぼありません。
弱さの裏返しである思い上がりで、他者の人格を否定するような言葉を抵抗なく吐き続けます。
傲慢な人間は弱い人間。本当に強い人間は、親切で思いやりを持っています。
人格否定をするパワハラ上司の心理⑩「サイコパス」
良心や情緒を持たないサイコパスは、様々な世界に潜んでいるもの。
サイコパスという人種は、傷つくことが少ないため、精神的にダメージを負うこと自体が稀。
心ある人なら病みかねない状況でも、平気な顔をして出世していきます。
そしてゲーム感覚で、人を追い込むのです。
サイコパスなパワハラ上司はゲーム好きが多い!?
サイコパス系の人達はゲームをかなり好むという説もあります。
パワハラ上司化したサイコパスが部下の人格へ否定的な言動を投げかけ、じわりじわりと追い込んでいく様はホラー映画さながらの恐怖…。
人の心が壊れようが部下が傷つこうが、サイコパス上司にとってはどこ吹く風なのです。
【部下への「もの言い」が強すぎる上司についての記事は▼】
人格否定をするパワハラ上司は自己愛性パーソナリティー障害(自己愛性人格障害)かも?
実はパワハラ上司の何割かが、自己愛パーソナリティー障害(自己愛性人格障害)である可能性があります。
パワハラ上司と自己愛パーソナリティー障害(自己愛性人格障害)は、どういった共通項があるのかを確認していきましょう。
読み進めれば、かなりの共通点があるとわかるはずです。
【自己愛性人格障害者から被害に遭った筆者の体験談は▼】
人格否定をするパワハラ上司は自己愛性パーソナリティー障害の共通点①「自己の重要性に関する誇大な感覚」
自己の重要性に関する誇大な感覚
パワハラ上司は、誇るべき業績や才能がそれほどなかったとしても
部長は、本当に有能ですよね!
といった称賛をほしがります。
ほめられたい願望は誰しも持っていますが、常軌を逸しているのがその特徴。
彼らの周囲に心無いイエスマン、無能なイエスマンが周囲に集まりやすいのが納得できますね。
パワハラ上司が幼児のような態度で、称賛を求めている、そのメッセージが周囲に漏れ出ています。
当人はそれに無自覚であることも少なくありません。
人格否定をするパワハラ上司は自己愛性パーソナリティー障害の共通点②「『限りない成功』という夢想の虜」
限りない成功,権力,才気 ,美しさ,あるいは理想的な愛の空想にとりつかれている
やや抽象的な表現ですが、実現することのない夢想の虜になっているということでしょう。
空想にとりつかれるあまり、現実の部下をなじってしまうことも多々あるのがパワハラ上司。
つまり現実を見ていない人なのです。
人格否定をするパワハラ上司は自己愛性パーソナリティー障害の共通点③「特別視されたがる」
自分が“特別”であり,独特であり,他の特別なまたは地位の高い人達に(または施設で)しか理解され ない ,または関係があるべきだと信じている
これはわかりやすい類似点ですね。
パワハラ上司はしばしば「俺は一流」「俺は優秀」と己を誇示。
根拠のない万能感や特別感を持っている人が多いのは、間違いないでしょう。
人格否定をするパワハラ上司は自己愛性パーソナリティー障害の共通点④「過剰な称賛を求める」
過剰な称賛を求める
②の項目と重なりますが、とにかく称賛されたくてしかたないのがパワハラ上司。
中には「面倒くさいから合わしておこう」と、適当におべんちゃらばかりを並べる部下もいます。
しかしパワハラ上司はそれでも一向に構いません。
口先だけでもいいので、称賛してくれれば心地良いのです。
人格否定をするパワハラ上司は自己愛性パーソナリティー障害の共通点⑤「強烈な特権意識」
特権意識つまり特別有利な取り計らい ,または自分の期待に自動的に従うことを理由なく期待する
部下が俺の思うどおり動くのは当たり前
といった傲慢さを持っているのがパワハラ上司です。
そのため、期待が外れると烈火のごとく怒り出すことも。
部下は上司の命令に従うものですが、それを悪用したがるのがパワハラ上司の特徴。
俺が見放したら部下は奈落へと転落するだろう
と心の底から思い込めるのが、パワハラ上司なのです。
己を全知全能の神であると信じ込んでいます。
人格否定をするパワハラ上司は自己愛性パーソナリティー障害の共通点⑥「あらゆる人を利用」
対人関係で相手を不当に利用する,つまり自分自身の目的を達成するために人を利用する
対人操作に長けているパワハラ上司はたくさんいます。
その能力は仕事の上で役立つこともしばしば。
部下を次々と病ますクラッシャー上司と呼ばれる人達。
彼らがまだのさばっているのも、「会社に利益をもたらすため切りづらい」という理由があるのです。
しかし絶え間なく人を利用するため、勤務年月が経過するほど敵が増えていきます。
【職場を委縮させるクラッシャー上司の解説は▼】
人格否定をするパワハラ上司は自己愛性パーソナリティー障害の共通点⑦「共感の欠如」
共感の欠如
パワハラ上司の多くに足りていないのが、他者の気持ちに共感する能力。
これさえあれば、パワハラ上司化しないものです。
いうまでもなくサイコパス型上司には、共感力が一切備わっていません。
人格否定をするパワハラ上司は自己愛性パーソナリティー障害の共通点⑧「他人への嫉妬、また嫉妬されていると思い込む」
しばしば他人に嫉妬する,または他人が自分に嫉妬していると思い込む
嫉妬心が強いパワハラ上司はわんさかいます。
また歪な自己評価をしているため、
無能なやつらがまた俺に嫉妬しているぞ
と本気で思い込みます。
周囲の人達からすれば「なぜ、そのように解釈できるのかまるでわからない」というのが正直なところでしょう。
人格否定をするパワハラ上司は自己愛性パーソナリティー障害の共通点⑨「尊大で傲慢な態度」
尊大で傲慢な態度、または態度
パワハラ上司が傲慢なのは、前記したとおり。
心の奥底にあるのは自信のなさなのですが、それを開示することはありません。
むしろ「弱みを知られたくない」という不安が根深いため、他者を徹底的に攻撃してしまうのです。
【自己愛的な怒りである「自己愛憤怒」と異常なキレ方に関する記事は▼】
人格否定をするパワハラ上司の末路
パワハラ上司の末路は悲惨…。
「運の正体は人である」という言葉があります。
攻撃的だったり不寛容だったり独善的すぎる人間からは、当然、運気が逃げていくもの。
パワハラ上司を見事に『クラッシャー上司』という名称でラベリングした松崎一葉さんと、健康社会学者の河合薫さんの対談から引用します。
河合:所詮、人間なんてひとりじゃ何もできないし、自分の能力にだって限界がある。それを素直に認めて、他者の傘を借りる勇気を持てる人はクラッシャー上司にはならないように思うんです。一方、内的資源だけで生きてる人、要するに自信満々で、自尊心も自己効力感も高過ぎる人が行き着くのは、「自分がルール」です。
松崎:そうそう。おっしゃるとおりです。自分がルールだから、自覚がない。
河合:ただ、そういう人って、実は弱い、というか、自分の心の中のリソースだけで乗り切れないことに遭遇すると、ポキリと折れちゃう。
松崎:ええ、そう思いますよ。クラッシャー上司は、承認がもらえなくなった瞬間にエネルギーが補給できなくなるので、そこで前進が止まっちゃうんです。
僕が「クラッシャー上司」の中で書いた、事例の5番目。メーカーで地方営業所次長を務めていたDは、営業の結果は出してくるが、部下を2人をつぶし、家庭でもDVをふるう「クラッシャー」でした。その彼は、奥さんと子供が“夜逃げ”したのを機に、うつ病になってしまう。
出典:窮地のクラッシャー上司は、あの言葉を繰り返す『クラッシャー上司』著者・松崎一葉さん×河合 薫 特別対談(2)日経ビジネス
他者の心の痛みを無視し続けたパワハラ上司は、やがて孤立し自身が病んでしまったそうです。
ここまでの事態に発展しないと、自らがどれだけ有害な行いをしていたのかがわからないのも悲しいですね。
パワハラ上司からターゲットにされると、高い確率で精神疾患になってしまいます。
最終的にパワハラ上司が没落したり、不幸を呼び寄せてしまうのは間違いありません。
しかし彼らがまだフルパワーで稼働し続けているときは、転職するというのも選択肢でしょう。
パワハラ上司は、いずれ時間という裁判官から必ず裁きを受ける存在。
ずっと活躍し続けることはないのです。
今、パワハラ上司の下で働いている渦中のあなたはとにかく大変かと思います。
くれぐれも病むことのないよう、できるかぎり早い対応をとってくださいね。
パワハラをする人って実は精神的に弱い人で、平等に優しくできるような人の方が精神的に強いのは明らか。
ひとりで抱え込まずに、必ず誰か相談しやすい人にパワハラ上司のことを打ち明けてください。
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