自分が悪くないのに、自身を責めてしまう繊細な自罰さん。
こちらの記事は、そんな自罰さん向けの記事です。
繊細さんの天敵は他罰や他責、外罰傾向の強い人。
上記の中で、人を傷つける自己愛タイプがいます。自省や内省なき他罰者の彼ら彼女らは、自罰さんの大敵。
10代、20代、30代に自身の自罰傾向で悩み続けた筆者は、他罰者を分析することで楽になりました。
自罰者と他罰者の関係や、他罰者の傾向と対策について記します。
不健全な自己愛を持つ人間ほど他罰的な傾向が強い
この記事、読んでよかったです。これまでのこと、しっかりおさらいできたし、忘れちゃいけないこと全部書かれている。「自省的ではなく、常に他罰的」である、本当にそのとおりだね。広く読まれてほしい。https://t.co/QJ2ALbudfC
— 白央篤司 (@hakuo416) May 2, 2020
自己愛という言葉のニュアンスが「ナルシスト」など、ネガティブにとらわれがち。
しかし自己愛を持つことは、悪いことではありません。自分を愛せなければ、他者を大切にできないもの。
問題になるのは歪んだ自己愛、未熟な自己愛、不健全な自己愛を持つ人間。
こういう人達ほど、激しく他者を攻撃します。
自己愛の傷つき&自己愛憤怒
他罰的行為をしばしば行う人は、自己愛憤怒が習慣化している可能性大。
「自己愛の傷つき」に触れたのは、精神分析のパイオニアであるジークモント・フロイト。
そこからさらに研究を進めて「自己愛憤怒」というネーミングをしたのが、ハインツ・コフートです。
ふたりともオーストリアの精神科医であることが興味深いですね。
「自己愛の損傷」「自己愛の傷つき」と「自己愛憤怒」は、似た文脈で語られます。
【参考記事|世界的に有名な精神科医、心理学者10選▼】
怖くて不安だから激怒する自己愛たち
自己愛憤怒をわかりやすく表現すると、「弱い犬ほどよく吠える」です。
自信のある犬は散歩中も悠然と歩いており、他の犬から攻撃されても知らんぷり。余裕がある側は、吠え返す必要がありません。
日常生活ですぐ
やばい!自己愛が傷つけられた…
とビクビクしている人ほど、自己愛が損傷しやすく、自己愛憤怒的な逆ギレを起こします。
彼らが怒り狂っている様をみると、強そうに映るかもしれません。
しかし自己愛憤怒を頻繁に起こす人ほど
・自信がない ・不安が強い ・おびえている |
と考えて間違いないのです。
自己愛憤怒者は、弱い自分を守るために必死でいつもゆとりを失った状態なのでしょう。
【参考記事|自己愛憤怒者を怒らせない接し方▼】
他罰的で自己愛が強い人の思考と心理5つ
人に迷惑をかける自己愛を持つ、他罰的な人間の思考と心理について分析。
怒りを向けられると、恐怖で思考が停止してしまう繊細さんも多いはず。
これは体や心の反応なので、しかたありません。
パニックになりやすい自罰さんは、まず他罰癖のある人達が逆ギレなどを起こす思考と心理を知りましょう。
他罰と逆ギレは、彼らが追い詰められた状況でよく発揮されます。
【自己愛の段階について詳しく解説している記事▼】
他罰的で自己愛が強い人の思考と心理①「他者への見下し」
プロ野球選手を目指している人が、イチローを面と向かって攻撃できるでしょうか?
答えは否。
なぜなら「尊敬するスーパースターへ失礼な振る舞いはNGだ」と考えるからです。
しかし傲慢な自己愛者が厄介なのは、自分がまだ駆け出しの野球選手だったとしても、なぜか自分にイチローと同じ価値があると思い込めるところです。
根拠のない自信を持ち、他者を見下しています。
よって自分よりも下の人間を使って憂さ晴らしをしたり、八つ当たりしたり、ストレス解消することに抵抗がありません。
自罰傾向の強い人は、しばしば彼らのターゲットにされます。
歪んだ自己愛の持ち主は、HSPなどの繊細さんを発見するやいなや取り込みにはかり、自分のストレス発散に利用することも珍しくありません。
【関連記事|歪んだ自己愛者7人からターゲット認定にされた筆者の体験談▼】
他罰的で自己愛が強い人の思考と心理②「責任をとりたくない」
歪な自己愛者は、何か失敗をしたり、謝罪が必要な状況で責任をとることを極端に嫌います。
「責任をとったら終わり」とさえ、考える人も…。
どうすれば状況が丸く収まって、自身のストレスを減らせるのか?
彼らの答えは……
「自罰傾向が強い気弱な人に、責任を押しつける」です。
卑怯極まりない話ですが、一部の自己愛者はみっともない行動をとっても平気。
最も避けるべきは、自分の面子を守ることなのです。
面子の傷つきは、自己愛損傷と同じと捉えて問題ありません。
他罰的で自己愛が強い人の思考と心理③「歯向かう奴は潰す」
負けず嫌いな人も多い自己愛者。
負けず嫌いが自分を高める方に向くと、とんでもない成功を収めることも。
しかし不安が強い自己愛は、小規模コミュニティーから出ようとしません。
その世界が自己愛者にとって、全てになるのです。
そんなところで、誰かから攻撃されようもんならもう大変!
忍耐という選択肢は、自己愛者にないのです。
激怒した自己愛は、相手が再起不能になるまで攻撃をやめません。
自己愛憤怒的な行動は命がけ。
とんでもないエネルギーを相手にぶつけます。
自身が攻撃されなくても、第三者が自己愛者から血祭りに上げられているのを見て
異常な怒り方だわ。距離を置こう…
と思うのは当然。
これはエネルギーの持って行き場を失った自己愛に多い行動です。
下記の動画は自己愛性パーソナリティ障害に罹患していたことを自認している箭内宏紀さんが、自己愛性障害について掘り下げたレアな動画になっております。
箭内宏紀さんは、自己愛パーソナリティ障害を自覚し改善した、かなり貴重な経験を持つ人物。彼の話す言葉には、自己愛を理解するためのヒントがたくさんありますので、『箭内宏紀のメンタル大学』というYouTubeチャンネルは、かなりおすすめです。
他罰的で自己愛が強い人の思考と心理④「絶対に謝らない」
未熟な自己愛を持つ人にとって、謝罪をするのは是が非でも避けたいこと。
プライドの塊である自己愛者は、滅多に謝りません。
例え謝ったとしても、それは形だけ。
心からの謝罪をすることはないのです。
矛先を変えて
俺は悪くない。謝るべきは他の奴!
と責任転嫁。
他罰に転じて、誰かを攻撃し始めます。
このとき被害に遭う確率が高いのは、悲しいことに自罰さんなのです。
他罰的で自己愛が強い人の思考と心理⑤「依存心と甘え」
たちの悪い自己愛者が、未熟なのは前記のとおり。
多くの自己愛者に共通すること。それは実年齢よりも精神年齢がはるかに低いこと。
素直になれない自己愛達の奥底には、依存心と甘えがあります。
本音では
24時間、自分に優しくしてくれよ…
と考える自己愛も少なくありません。
しかし自己愛者は、心をオープンにするのが苦手。
ただでさえキャパシティが狭いですから、少しでも攻撃されると逆ギレ。
依存や甘えを克服できている人間は、余裕があります。
反対にいつまでも幼さを抱える自己愛者に余裕は皆無。
根底にあるのは、「甘えたいのに甘やかしてくれない」というフラストレーション。
見た目は大人でも、精神は子供のままなのです。
ストーカーは成熟できず歪んだ自己愛を持ったまま大人になった人がなりやすいのですが、ストーカーが特定の人に執着する根底にあるものは、強烈な依存心です。
他罰的で自己愛が強い人の対処法5つ
自己愛他罰型の思考や心理がわかったので、次にどんな対処をすればいいか説明します。
厄介で癖が強い面倒な人ほど、対処法を頭に入れておくべき。
それができれば、ストレスの軽減が可能です。
【参考記事|癖だらけで厄介な人の特徴と対処法は▼】
他罰的で自己愛が強い人への対処法①「本音を隠して穏やかに接する」
自己愛他罰者は、「こいつ、ケンカをしかけてきたな!」と思うと防衛本能が働き、容赦のない攻撃をしかけます。
相手はアイデンティティの危機に遭遇しています。
内心はパニック状態。
そんな攻撃エネルギーが尋常じゃない人と戦っても、消耗するだけ。
ならば刺激しない方法をとりましょう。
お腹の中は煮えくり返っていても、表面的に穏やかな顔を装ってください。
慣れるまでは苦しいですが、修行と割り切りチャレンジを。
アホとは戦うな、って本を立ち読みしてきた。その通りだな。
まあ、その本書くところがアホと戦う気概に満ちていて嫌いではない。
戦う価値もないアホ。やつら、消毒しちゃえばいいのだ。欲を持つところからアホにつけこまれる。その辺は私に任せろ。
— らんぺにゃん (@Lempereur2018) April 13, 2019
ゲームと捉えれば、少しは楽になりますよ。
他罰的で自己愛が強い人への対処法②「必要最低限の会話で終了」
「コミュニケーション量を極力減らす」のも、賢いやり方。
自己愛他罰型の中には、揚げ足取りに長けた粘着型も。
そんな人と関わっても、ストレスが増えるだけ。
「会話は感情をこめず端的に」を意識。
コミュニケーション量を減らせば、自己愛者への腹立ち、苛立ちを減らせます。
他罰的で自己愛が強い人への対処法③「傾聴する」
傾聴は、来談者中心療法を生み出した臨床心理学者カール・ロジャースが広めたテクニック。
現在、カウンセリングで頻繁に使われています。
感情的になった相手の言葉に、一切反論せず聴き切りましょう。
それで落ち着くなら、しめたもの。
面倒な自己愛者は、一度話すと長いです。
ときには一方的に面罵されることも…。
むかつくのはわかります。しかしぐっと堪えてください。
売られたケンカ全部買ってたら時間がいくらあっても足りねーよ。時間は有限だ。時間=銃弾だと考えろ。目に入った動物を全て撃ってたら本命の熊が出てきた時に弾切れ起こすぞ。「コイツは喧嘩して仕留める価値があるか?」と考えてから喧嘩しろ。殆どの喧嘩は無益でアホらしくなるよ。喧嘩はビジネス。
— Testosterone (@badassceo) February 7, 2019
第三者は、罵詈雑言をまくしたてる自己愛者よりも、必ずあなたを高く評価します。
【参考記事|ロジャースなどの世界的に有名な精神科医、心理学者10選▼】
【参考記事|一方的に話す人と障害の関係▼】
他罰的で自己愛が強い人への対処法④「うまくイジる」
かなり高度なテクニックですが、自己愛的な人をうまくイジって笑いにできればダメージを減らせます。
未成熟な自己愛者は、妙なプライドを持っておりイジり方を間違えると、激怒するケースも…。
そのため、イジりテクに自信がある人にしかおすすめできません。
他罰的な自己愛者が暴れだしそうになったら、少しの毒とユーモアを加えたフレーズを言ってみましょう。
それだけで自己愛者の機嫌がなおることだってあります。
なお周囲が大受けしても、自己愛人間が恥をかくような言い回しは避けるべき。
彼ら彼女らのプライドが傷つくと、自己愛憤怒が起こるからです。
【参考記事|お笑い用語の解説「天丼」について▼】
【参考記事|】お笑い用語の解説「フリ」について▼】
他罰的で自己愛が強い人への対処法⑤「とにかく距離をとる」
一番推奨したいのは、距離をとる方法。
相手を変えようと思ってもまず無理なので、こちらから上手く距離をとりましょう。
自己愛他罰者から、距離を詰めてくることもあります。
そんなときは、あなたがさっと後ろへ下がるのです。
明らかに大きな距離をとると、自己愛者が気づいてむっとするかも。
ゆっくりと距離を開ける方がいいでしょう。
こちらからコミュニケーションをとらなければいけない場合もあります。
その際は、用件だけ伝えすぐ自己愛のもとを離れてくださいね。
ちなみに下記の動画では、自己中自己愛タイプをメンタリストのDaiGoさんがとてもわかりやすく解説してくれています。
自罰の人は自己愛他罰型の人間と凹凸が噛み合いやすい
ここまで読んでくれた人はなぜ自罰さんが、自己愛他罰者からターゲットにされやすいかわかったはず。
サイコパスや歪んだ自己愛を持つ人ほど、自罰傾向が強い人を見つける嗅覚に優れています。
相手は自罰さんの心が崩壊しようと病もうと、まるで気にしません。
フォーカスするのは他者ではなく自分だけ。厄介な自己愛者は常に自分本位。
ご自身で「自罰の癖がある」と自覚してる人は、他罰者から離れてください。
攻撃的な他罰者と接する際は、警戒心マックスでのぞみましょう。
油断や人の良さは、命取りとなります。
自己愛他罰者の一部は自己愛パーソナリティ障害(自己愛性人格障害)かも?
自己愛パーソナリティ障害
このタイプは、自分の価値についての過大評価(誇大性と呼ばれます)を特徴とします。この障害のある人は、特別な扱いを受けることを期待し、自分は優れているのだから当然と考えて他者を利用することもあります。その人間関係は賞賛を求めることを特徴とし、他者が自分に嫉妬している、自分をねたんでいるなどと考える傾向があります。他者の反応に敏感ですが、それは、その反応が自分と関係がある場合に限ってのことです。また、失敗、敗北、批判などの他者からの否定的反応には極端に敏感です。他者からのこのような反応がきっかけとなって、突然、怒りや抑うつ(自殺念慮や自殺行動を含む)が生じることがあります。
特別扱いを求め、他者に対しては攻撃性を向けるものの、少しでも自身を責めるような言動には怒りで反応。
内省的な自己愛性パーソナリティ障害の人は、抑うつ状態になることもあるようです。
しかし大半の自己愛的人間は、自分が病むよりも他人を病ませて生き残ることを選択。
クラッシャー上司と呼ばれる人やトラブルの多い行動をとる人は、自己愛性パーソナリティ障害である可能性があります。
自罰を自覚している人は、くれぐれも自己愛パーソナリティ障害の人間に近づかないようにしましょう。
少しでも近寄ると、善良で人を信じやすいあなたは、たちまち餌食にされてしまいますよ!
下記の動画は自己愛性パーソナリティー障害がよく行う、相手に罪悪感を抱かせる怒り方をすることについて、わかりやすく解説してくれています。
【まとめ】歪んだ自己愛者、他罰者に幸せは未来永劫訪れない
自己愛他罰者の分析と対処法について記しました。
好き放題できて、ある意味うらやましい…
と思う自罰さんがおられるかも?
しかし私は思います。
自己愛他罰者の末路は憐れであることが、ほとんどだと。
多くの人が彼ら彼女らの意見を聞き入れたり、合わせたりするのは面倒だから。
相手に対して「良くなってほしい」「大切にしたい」とは思われていません。
もし自己愛他罰者が権力を握っていたり、上司だったりすれば、従わざるをえないかも?
だからといって、その関係性がずっと続くことはないのです。
どこかのタイミングで今まで虐げられていた人達がスクラムを組み、反旗を翻すこともあるでしょう。
横暴で独善的な自己愛他罰者の多くは孤独です。
他者を許容できない人は、己を許容できていない人。
自身の弱みから目をそむけて生きている人が、人から愛され幸せな人生を歩めるとは到底思えません。
自己愛的他罰者は、時間が経過されるとともに、周囲から淘汰される存在だと考えます。
年齢を重ねるだけ周囲に敵が増えていくわけですから、戦略的にもかなり苦しいといわざるをえません。
勢いを失った途端、二度と立ち直れないよう袋叩きにあう自己愛者も少なくないでしょう。
中には恨みを買いすぎて、命を狙われる自己愛者もいるほど…。
点ではなく線で捉えれば、自己愛他罰者の人生はずっと不幸せです。
厄介な自己愛者と距離をとり、自分が大好きな人と楽しく過ごすことが幸せを呼び込みます。
こちらの記事を読んでくださっている方が、癖の強い自己愛を恨み続けることなく、ご自身の楽しい時間を過ごせるようになることを祈っています。
人を傷つける自己愛者を恨むのに、人生の貴重な時間を費やすのはやはりもったいないです。
それよりも笑顔で穏やかな毎日を過ごしましょう。
繊細なあなたが笑顔はじける幸せな日々が送れることを心より願っております。
他者から愛されるのは、攻撃的で険にまみれた人間ではなく、相手を配慮できる繊細さんの方であると私は信じています。
最後まで読んでいただいて、ありがとうございました!
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