HSP女性がアスペルガーの男性に惹かれ、結婚後カサンドラ症候群になる事例が実はかなり多い

「なんで私の恋愛はうまくいかないの？」「なんで私の夫婦関係はうまくいかないんだろう？」

パートナーシップにお悩みのHSP女性は少なくない。

HSPとして生まれたその気質は、決して間違いでも弱さでもない。けれども時に、人間関係の中で「自分だけが苦しい」と感じる瞬間がある。

この記事では、「なぜHSP女性はアスペルガー傾向の強い男性に惹かれやすく、結果としてカサンドラ症候群に陥りやすいのか」について、その理由と対策、そして陥ったときの回復のヒントまでを、そっとお伝えしていきたい。

「ないもの」に惹かれる──恋のはじまり

あなたは、自分にないものに惹かれた経験がないだろうか？

たとえば、自分の気分や感情にふりまわされやすいHSP気質のあなたにとって、
感情の波が少なく、常に一定で冷静な男性は「頼もしい存在」として映ったかもしれない。
迷わず物事を決め、言葉数は少ないけれどブレない彼。
その無骨さやマイペースさに、不思議と安心感を覚えたのではないだろうか。

自分は感情で動くけれど、彼は理屈で動く。
だからこそ、「ちょうどいいバランスかもしれない」と感じたことはなかっただろうか。

不器用な彼を見て、「私がいなきゃ」と思ったことはなかっただろうか。

人づきあいが苦手で、空気が読めず、誤解を招く彼。
でも、そんな姿がどこか放っておけなくて、あなたの中に“保護本能”のようなものが芽生えたかもしれない。

彼がふと見せた弱さに、「自分だけは理解できる」と感じた。
彼に必要とされることで、あなた自身の存在価値が高まった気がした。
その関係はまるで、「誰も知らない彼を私だけが知っている」という密やかな特別感に満ちていたのではないだろうか。

けれど、日常をともにするうちに、あなたはふと感じ始める。
「どうして、こんなに気持ちが通じないのだろう」と。

あなたが落ち込んでいるとき、彼はそっと寄り添うよりも、「何が問題なのか」と理由を探しはじめる。
あなたが共感を求めて語りかけても、彼は無反応だったり、トンチンカンな返答をしてきたりする。
それは、あなたにとって、どこまでも「心の通わない会話」だったかもしれない。

やがて、そんなすれ違いが積み重なっていく。
あなたは「理解されていない」と感じ、孤独が心に染み込む。
そうして、静かに始まるのが──カサンドラ症候群だ。

カサンドラ症候群は、「共感性に欠けるパートナーとの関係の中で、共感性の高い側（多くの場合HSP女性）が精神的に摩耗していく状態」といわれている。

症状は、うつ状態、不安、孤独感、自己肯定感の低下などさまざまだ。
「話が通じない」「感情が共有されない」ことの繰り返しが、心に深い影を落としていく。

あなたは、彼との関係の中で、自分の心が静かに傷ついていることに気づいているだろうか。
そしてその苦しみを「自分の弱さ」だと責めてはいないだろうか。

では、どうすればこの苦しみのループから自分を守れるのだろうか？

いくつかの現実的な対策を、ここで挙げてみたい。

アスペルガー傾向のある男性は、感情を汲み取ることがそもそも苦手な特性を持っている。
だからこそ「わかってほしい」「察してほしい」と期待しすぎるのは、あなた自身を苦しめることになる。

期待ではなく、「伝える努力」に意識を向けてほしい。
“伝え方”は、相手の性質に合わせて変えてよいのだ。

夫以外に、自分の気持ちを“共感的に受け止めてくれる人”を持つことは、精神的な安全地帯になる。
友人でも、カウンセラーでも、オンラインのコミュニティでもいい。

ひとりで抱え込まないでほしい。
「わかってくれる誰か」がいるという実感が、あなたの心を必ず守ってくれる。

「彼のために」が「自分の犠牲」に変わっていないだろうか。
自分の気持ちを最優先にすることに、罪悪感を抱かないでほしい。
あなたの人生は、あなた自身のためにある。

それでも、あなたが今、すでに限界を感じているのなら。
心がすり減りすぎて、もう笑えなくなっているのなら。

どうか、自分を最優先にしてほしい。
そのときは遠慮なく、専門家の手を借りて。
夫婦カウンセリング、女性専用の相談機関、あるいは同じ境遇の人たちと出会える場所でも構わない。

あなたは、助けを求めていい。
あなたには、幸せになる権利がある。

違いを理解する、その一歩から
夫婦とは、一体化するものではない。
むしろ「違いを理解し合う努力を続けるもの」なのだ。

限界がきたのなら物理的、心理的に距離をとるというのも現実的な手段である。

どうか、あなた自身を大切にしてほしい。
そして、苦しみに気づいた今この瞬間から、自分の心に正直に、生きていってほしい。

あなたの人生は、あなたが幸せになるためにあるのだから。