自分は人に比べて、やたらと疲れるなぁ…。
そう感じていました。エネルギーのなさに自身を責めたことも。
しかし僕自身がHSPであることを自覚できたときから、心がだんだんと楽に。
HSPはHSPならでは性質や振る舞い方を知らないと、ずっと辛い日々が続きます。
こちらの記事を読んでいただければ、
・自分がHSPだとわかったら何をしたらいいのか? ・HSP特有の敏感さを活用できる仕事 |
について理解いただけます。
最初に言っておきます。
HSPであることはマイナスばかりじゃありません!
希望を持ちながら、こちらの記事を読み進めていただけると幸いです。
HSPとは?
エレイン・N・アーロンさん(女性)が1996年に定義した言葉です。「Highly Sensitive Person」の頭文字をとってH・S・P。
Highly Sensitive Personとは「とても敏感な人」という意味です
アーロンさんは博士であり心理学者。当然、人間の心のメカニズムの分析に長けています。
アーロンさんがこのHSPという概念を普及させたことで、多くの人たちの心が軽くなったのではないでしょうか?
人は自分の性質をしっかりと理解できるだけで、精神的負担が軽減されます。
HSPの割合は?
全体の約5分の1といわれています。男性と女性の比率に偏りはありません。
2019年2月時点での日本の人口はといえば…
【平成31年2月1日現在(概算値)】
<総人口> 1億2633万人
1億2633万人。ということは2500万人ほどの日本人がHSPと考えられます。
「HSPは結構な割合でいる」ということですね。
HPSを決定づける4つの要素「DOES」とは?
敏感といってもその程度は様々。どんな特徴を持っている人が、HSPなのでしょうか?
アーロンさんは自著「ひといちばい敏感な子」の中で、『DOES』に該当する人はHSPである可能性が高いと記しています。
彼が唱えた『DOES』を、ひとつひとつ見ていきましょう。
D→Depth of processing(深く処理する) O→being easily Overstimulated(過剰な刺激を受けやすい) E→being both Emotionally reactive generally and having high Empathy in particular(トータル的な感情反応が強く、共感力に秀でている) S→being aware of Subtle Stimuli(微細な刺激を察知) |
上記4つを見て
どれもかなり当てはまるぞ…
と思った人は、HSPである可能性が高いでしょう。
【参考記事|HSP男性と恋の相性が良い女性、悪い女性のタイプ▼】
HSPの人間は生きづらさを感じやすい
敏感すぎるということは、精神的に消耗しやすいことでもあります。
作家の渡辺淳一さんが本のタイトルにして有名になった『鈍感力』という言葉。
鈍感力が高い人は、嫌なことがあってもあとに引きずることがほとんどありません。
反対にHSPの人は、心が大きく反応してしまう出来事があると、それを脳内で何度も思い浮かべたりするため、長時間切り替えができずに苦しみがちです。
HSPと気づく前に僕が感じていた生きづらさ6つ
ではHSPである僕は、どのような生きづらさを感じてきたのか書いていきましょう。
小学校時代まで、さかのぼります。
HSPならではの生きづらさ①:胃腸、お腹の調子が弱い
胃腸の悪い漫画のキャラクターといえば、『ちびまる子ちゃん』の山根くんを脳裏に浮かべる人も多いのでは?
僕は彼に対して勝手にHSP疑惑をかけていますが(笑)、それはさておき小学校、中学校、高校と僕はよく胃腸、腹痛で授業中にトイレへ行っていました。
プレッシャーやストレスがのしかかる状況で、胃痛、腹痛がよく発生していましたね。
HSPならではの生きづらさ②:疲れやすい
高校時代が最もひどかったのですが、尋常じゃない疲れを感じていました。
僕は帰宅部なので、授業が終わればそのまま家に帰ればいいだけ。
家に帰ると気がゆるみ、倒れ込むようにベッドに移動し、そのまま朝までグーグー眠るという日も頻繁にありました。
コンタクトを外さず制服のまま眠るので、母親がよく怒っていたのが懐かしいですね。
同級生は勉強をしたあと、暗くなるまで元気にクラブ活動をやっていました。彼らの姿を見る度に「なんて自分は体力がないんだろう…」と落ち込みまくり。
今考えると何かと自罰習慣が原因で起こる負のスパイラルは、「HSPあるある」なのかもしれません。
【参考記事|HSPと睡眠の関係!よく寝るのはHSPにとって大正解▼】
HSPならではの生きづらさ③:集団生活が苦手
協調性がないというよりは、みんなに合わせすぎようとしていたのでしょう。
HSPは過度に神経質なため、受け取る情報量が平均よりも多め。そして生来の気遣い屋さんであることも多いです。
人がたくさんいるところへ行くと「全員に対して平等に気配りをしなければ」と勝手に思ってしまうこともしばしば。
誰もそんなことは望んでいなかったのですが、とにかく一方的な配慮をしすぎてコミュニケーションが上手くいきませんでした。
こちらが緊張していると、相手にもそれが伝染します。お互い緊張した状態で会話を続けると、どちらも疲れてしまいますね。
HSPならではの生きづらさ④:五感が鋭敏すぎる
HSPで五感が敏感すぎるの人もかなり多いはず。
僕は触覚と聴覚の感覚過敏を持っていました。
例えばタグがついている服を、そのまま着ることが今でもできません。この傾向は幼少期から始まっており、母親が毎回、僕のためにタグを外してくれていました。苦労をかけました。
また聴覚過敏のため騒がしいところへ行くと、気分が悪くなります。あと大声で話す人は、どんな性格だろうがNG。
相手に悪気がないこともわかるのですが、幼い頃から声の大きい人が苦手でたまりませんでした。
HSPならではの生きづらさ⑤:怒鳴られると体がフリーズ
聴覚が過敏と書きましたが、怒鳴りまくる人が心底苦手。
これは自分が怒鳴られている状況に限りません。他の人が誰かに怒鳴られている光景を見ると、気分が悪くなります。
HSPならではの共感力の高さも関係していたのでしょう。
短気な人、キレやすい人と同じ空間で過ごすのは地獄でした。
HSPならではの生きづらさ⑥:物事の処理に時間がかかる
以前、実家に返った際に自分の通信簿を読み返しました。
小学校の通知表だったのですが、担任の先生から「もう少しスピーディーに動けるといいですね」と書かれていたのです。
決断するのに時間を費やしたり、周囲の人を「ノロいな~。早くしてよ」とヤキモキさせるのもHSPあるある。
相手に配慮しすぎたり、情報を拾いすぎてキャパオーバーしてしまうなどして、何事にも時間がかかりやすいのは確かでしょう。
HSPが持つ長所4つ
ここまで読み進めてきて「HSPって損なことばかりじゃないの?」と、思われた方がいるかもしれません。
でもそんなことはないんです。
HSPの強みを挙げていきましょう!
HSPが持つ長所①:共感力が高い
HSPは人の気持ちにフォーカスするのが上手!
ちなみにHSPと同じような性質を持つ方々を、スピリチュアル用語でエンパスと呼ぶらしいですね(スピリチュアルの世界にくわしくないですが)。
集団で輪に入れない人が気になったり、ちょっとした表情の変化から相手の気持ちを読み取る術に長けているのはHSPの特徴です。
【関連記事|HSPとadhd&発達障害の相性が、すこぶる悪い理由▼】
HSPが持つ長所②:創造性、芸術性に秀でている
芸術家は神経が過敏な人が多い印象を受けます。統計をとったわけではないですが、HSP率も高めなのでは?
またクリエイティブな人もHSP率が高いように思います。
自分の世界をしっかり持っていたり、現実よりもファンタジックな世界を好んだり、昔から妄想癖があるといった性質が、創造的な分野でプラスに働くのでしょう。
「創造性は想像性でもある」というのが、僕の持論。
イマジネーションする習慣のあるHSPが、高いクリエイティビティーを持っているのは、必然なのかもしれませんね。
HSPが持つ長所③:鋭い観察力
HSP本人は特に意識してないのですが、他者からすれば気づかないことにいち早く気づける能力を持っています。
この時代に約2割の人がHSPなのには、きちんと理由が存在。
我々の先祖がもっと原始的な生活をしていた頃、HSPの鋭さが集団の役に立って危機回避できたことが、しばしばあったのでしょう。
僕はその名残なのではないかと思うのですが、特に「集中しなくても短時間で本質を見抜ける」、HSPはそんな観察力を持っています。
HSPが持つ長所④:記憶力が良い
もしかしたら僕自身が他のHSPに輪をかけて、記憶力の面で目立つ特徴を持っているのかもしれません。
特定の記憶力が抜群に良いです。
僕の場合
あなたはあのとき、あの場面でこんなことを言ってたよね。
と言って驚かれることが頻繁にありました。会話の記憶力だけが良かったです。自分が何を話したというよりも、相手が何をしゃべったかを覚えるのが得意。
ディティールを覚える能力が高いのでしょう。
あまりこの手の発言をすると気味悪がられることがわかったため、最近では封印しています(笑)
なぜ詳細に記憶できるのか?
人間の記憶は感情が激しく動けば動くほど、定着率が高くなります。喜怒哀楽にちなんだ出来事は、覚えやすいのでしょう。
HSPは他の人からすれば、取るに足らないとされることでも、激しく動揺したり感情を動かす傾向にあります。
大人になるとある程度、平静を装えるHSPもいるでしょう。
傍目では普通にしているように映っても、HSPの心中は穏やかでないことも…。
HSPの感情は高いレベルで推移しています。よって何気ないことでも、詳細に記憶できるではないでしょうか。
HSPの会社勤めは辛い?
僕は数年間、ゲーム会社でシナリオライターとして働いていた経験が。
文章を書くことや台本の執筆は好きなことなので、それ自体、苦ではありませんでした。
ただし前述したとおり、集団の中にいるだけで疲れてしまうのがHSPという人たち。
会社勤めは辛い記憶が多かったです。
HSPの僕がゲーム会社を辞めた理由3つ
最初はワクワクして入社したものの、入ってからは「早く辞めたいな~」とばかり考えるように。
それには、こんな理由がありました。
HSPの僕が会社を辞めた理由①:隣の人の騒音
聴覚敏感は、前述のとおり。
不運なことに僕の隣にいた先輩は、『騒音王子』(ニックネームは僕が勝手につけてます、笑)。
とにかくすべての行動がうるさかったですね。タイピングの際は、エンターキーを親の仇のように叩きます。
彼の隣で仕事をしなければいけない。それだけで相当なストレスでした。
騒音王子が出社してきただけで、「ああ、今日も騒がしい毎日が始まる…」と憂鬱になっていましたね。
HSPの僕が会社を辞めた理由②:大人数とのコミュニケーション
HSPは自分を理解してくれている少人数、なおかつ静かな職場が合っていると、僕は思います。
僕が務めていたゲーム会社は、総勢30人ほど。
社内で別々のゲームプロジェクトが同時進行していました。
常に人がせわしなく行き交い、方向性の違いから怒鳴り合う人たちが嫌でも視界に入ってきます。
それだけで心拍数が上がりました。
彼らはケンカしていたのではなく、良い仕事をするために激しいディスカッションをしていたのだと思います。
頭では理解できても、心が過剰に動くのを止められないのがHSPなのです。
HSPの僕が会社を辞めた理由③:酒乱の社長
社長が完全に酒乱でした。
会社にいるときは紳士なのですが、飲みの場では部下を使ってのストレス解消をする毎日(この手の輩はHSPであろうがなかろうが嫌なもんですね…)。
僕がゲーム会社を辞めようと決意したのは、ある意味、この酒乱社長のおかげ。
飲み会で泥酔した社長が、男女関係なく全員のつむじを舐め回し始めました。僕ももちろん舐め回されました。
これが世にいう『阿鼻叫喚』か…。
と思った僕は数ヶ月後に退社。この頃の同僚とたまに飲むのですが、この社長未だに乱暴狼藉を繰り返し、たくさんのお店を出禁になっているとのこと。
そのうち事件を起こしかねない危険人物でした。
【部下の人格を過剰に否定するパワハラ上司の心理と末路についてはコチラ】
HSPは「甘えている」と解釈されやすい?
上記の項目を読まれて
社会なんて理不尽なもの。甘えてるだけだ。
と思われた方がいるかもしれません。それはしかたのないこと。
正直いえば「伝わらない人には伝わらないだろうな~」と思いながら書いています。
ただしHSPにはHSPらしい生き方があり、それを見つけられた方が幸福度がアップするのも確か。
理解者がいると救われますが、「わからない人には時間をかけて説明しても伝わらない」という割り切りができるかは大切です。
HSPの僕はゲーム会社を辞めて何をした?
現在、僕はフリーランスとして生きています。
主にやっているのは
・Webメディアのディレクション(ネタ出し、校正など) ・ライティングの講師 |
このふたつ。
講師は接客なので、「HSPが苦手な分野なんじゃないの?」と感じたかもしれません。
しかしHSPは相手にフォーカスするのが元々、得意。
相手が喜ぶと我が事のように嬉しい!
というのは、まぎれもなく共感力の高いHSPの性質です。
また最初はクライアントの悩みをお聞きすることから始まるので、カウンセリング的側面もあります。
HSPの持っている能力を活かして、カウンセラーとして活躍する人も多いのだとか。
幸いなことに個人講師のリピート率が高く、楽しいお仕事をさせていただいているという感じ。
「この仕事は自分に向いているし、やりがいがある」と充実感を覚えています。
ただでさえ消耗しやすいHSPは向いていないことをすると、心身がどんどん削られていきます。
向いていないと思ったら、スパッと辞めるという決断も大切なのではないでしょうか?
【HSPの才能と向いている仕事についての記事はコチラ】
HSPはこの二大要素を無視すると生きづらさが増す
HSPが働く上で大切なふたつの要素。
それは…
・自由な時間に好きな環境で働けること ・関わる人間が少人数で済む |
でしょう。
僕は上記のふたつを確保できてから、精神の安定度が大幅に上がりました。
自分の人生は自分で決めるべき。
周囲の人は様々なことを言ってくるでしょうが、それをすべて受け入れようとして苦しくなるのがHSP。
無視していいですし、罪悪感を感じる必要はどこにもありません。
HSPの生き方!重視すべきはこの4点
では最後に僕がHSPとして生きてきて、これからもHSPとして暮らしていく上で、かなり重視している価値観を(おさらいも含めて)お伝えして記事を終わりにしたいと思います。
HSPの生き方で重視している点:①疲れる人間関係は容赦なく断捨離
林修先生が「友達なんていらない」といったことをおっしゃっていました。
すべて同意見ではありません。しかし不要な人間関係を断捨離していくことには大賛成。
思えば
もっと早くこの関係を断捨離しておけばよかった~…
というものは無数にあります。十代、二十代の頃を振り返ると、山程ありました(現在僕は三十代です)。
【縁を切ると運気が上がる友達や知人についての記事はコチラ】
自己愛が強く周囲を振り回す人も断捨離
僕だけでなく、HSP全般に当てはまると思うのですが、自己愛の強すぎる人とのコミュニケーションは要注意!
HSPと自己愛系の人たちとの相性は最悪です。
・価値観を押しつける ・完璧主義で周囲を振り回す ・自分の思い通りにならなかったら激怒する |
凹凸が引き合うのか、上記の特徴を持つ人が、僕の周囲にはなぜかたくさんいました。
今では自己愛系の人たちと容赦なく距離をとるようにしています。
自己愛を持つことは大切なこと。しかし強すぎる自己愛を持て余し、人間的にねじれていたり、こじれている人は、HSPを高確率で消耗させると考えて間違いありません。
【歪んだ自己愛を抱えているがゆえ激怒する人の記事はコチラ】
HSPの生き方で重視している点:②興味のあることをとことん続ける
文章を書くのが好きでした。ずっとずっと書いてきました。それが今の生業になっているので、非常にありがたいです。
集団作業が苦手なHSPはですが、コツコツと自分の好きなことを続けるのが得意。
「芸は身を助ける」ではないですが、得意分野のスキルが上がるとそれだけで食べていくことが可能になります。
【参考記事|HSPの僕が作家・小説家養成塾に通った体験談▼】
HSPの生き方で重視している点:③理解者を見つける
少数でかまいませんので、理解者を見つけましょう。
自分の性質をしっかりとわかってくれている人が、何名かいてくれるだけで生きるのが楽になります。
波長の合う人は、雨後の筍のようにヒョコヒョコ出てくるものではないですが、必ずどこかにいます。
僕の場合、妻がHSPの性質や性格を理解して、味方でいてくれるというのは、かなり大きいですね。
【交際1ヶ月でスピード結婚した男性の体験談はコチラ】
HSPの生き方で重視している点:④生き物を育てる
HSPの人はメダカを飼育しましょう!!
すみません、メダカ飼育はぶっちゃけ僕の個人的な趣味です…(笑)
メダカはさておき、「生き物の世話をするというのはHSPの心のバランス調整に役立つのでは?」と感じています。
犬や猫でもいいですし、ウサギやハムスターなどでもかまいません。
哺乳類に触れると『幸福ホルモン』『愛情ホルモン』であるオキシトシンが分泌されます。
モフモフした生き物は、人を癒やす力を持っていますよ!
HSPの生き方で重視している点:⑤よく眠る
「最後にそれ!?」と思われた方がいるかもしれません。
しかしこれは「最も大切である!」と断言してもいいですね。
HSPは普通の人より疲れます。疲労度が半端ではありません。だから回復のために眠る必要があります。
無理がきかないのもHSPの特徴。むちゃをすると必ず反動がきて、パフォーマンスが下がります。
「疲れたな~」と思ったら、たっぷりと眠りましょう。
会社員だと難しいかもしれませんが、フリーランスのHSPは寝たいときに眠る自由を手にしています。
毎日しっかり眠れた方が、生活を好循環へと導きやすくなります。
【参考記事|HSPと睡眠の関係!よく寝るのはHSPにとって大正解▼】
HSPは確かに疲れる、でも生き方を見つけると楽しいよ!
HSPは心身ともに疲労しやすいです。
でも人にはない、HSP独特の力を持っているのも確か。
HSP特有の武器を発見して、それを活用し生きる術を身につけたら、幸福度の高い日々が待っています。
自分軸を見つかるまで、僕はかなり時間を費やしました。でも無駄な経験ではなかったと思います。
僕はHSPで未だに疲れやすいですが、毎日幸せです。
HSPの方もそうじゃない方も、こんなに長い記事を最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。
そろそろ体力が尽きそうなので、ベッドへ向かいます(笑)
【HSPと相性最悪の癖が強い人の記事はコチラ】
コメント