Highly Sensitive Personを略してHSP。日本語訳すると「過度に繊細な人」。

全体の5人に1人はHSPである
といわれています。
マジョリティーではないものの、決して珍しくはありません。
鋭敏な感覚でキャッチする情報が多すぎるため、疲れやすいHSPですが、デメリットばかりではないのも事実。
実はHSPの特性を活かせる仕事がありました。
また、度々HSPが自閉症、発達障害、ADHD、ASDと混同される理由についても解説します。
HSPの才能を会社で活かすのが困難?
過度に繊細な感性を持っているHSP。そして心優しい人が多いのもHSPの特徴です。
会社という場所は、様々な人が集います。バリバリと仕事をこなすパワフルで、競争が大好物な好戦的人種も少なくありません。
HSPの多くは争いが苦手。誰かを蹴落とすことが本能的にできません。
また波長の合わない人が同じ空間にいるだけで、異常なほど心身が消耗。

いくら何でも大げさな…
と思われる方がいるかもしれません。
しかしそのような生きづらさを持っているのがHSPなのです。
会社が合わずに転職を繰り返すHSPが多いのは、上記の理由ゆえ。
ちなみにHSPとかなり馬が合わないのは、精神論を振りかざす我の強いタイプ。
癖が強い暴君が近くにいるだけで、体が硬直し交感神経が優位になりっぱなしとなり、自律神経に異常をきたすHSPも少なくないでしょう。
【HSPの天敵である癖が強い人間について書いた記事は▼】

【癖と我の塊『クラッシャー上司』に関する体験談は▼】

HSPの才能を活かせる会社の環境は?
どこの会社にいっても、HSPが活躍できないというわけではありません。
小規模で和気あいあいとしている場所なら、安心できるため力を発揮できます。
また柔軟な社風で、個人の裁量にある程度任せてもらえるような、自由度の高いところでも能力を活かせるでしょう。
HSPの優れた才能・6種類
HSPの才能がそもそも何かわからないと、向いている仕事も見えてきません。
どのような才能が備わっているのか具体例を挙げていきましょう。
HSPの才能①「空気を読む能力」
日本は空気が支配している国。空気を読めない人間は、KY視され浮いてしまいます。
空気という概念は、非常に抽象的。説明が難しいものの、その場に漂う雰囲気や気分、状態などを指します。
人の気持ちに鋭敏なHSPが、空気を読みすぎてしまうのは当然の結果かもしれません。
HSPの才能②「細かいことに気づける」
大雑把な人とHSPでは、キャッチする情報量が違います。
HSPの過敏さは、網の目で例えられることがしばしばあります。
網の目が細かいということは、些細なことにまで意識がいくということ。
誰かの表情が優れていなかったり、物の配置が少し変わっただけで察知できる人も。
多くの人が見落としがちなことでも、逸早く気づけるのです。
HSPの才能③「記憶力が良い」
記憶というのは感情が激しく動いた分だけ、定着しやすいもの。
HSPは動揺しやすいのが特性ですが、感情の振幅が大きいため、様々なことを記憶に留める能力を持っています。
また右脳が発達している人も少なくないため、景色などを覚えているケースも。
右脳と左脳の双方が発達しているタイプのHSPは、「あのとき誰がこんなことを言った」と詳細に再現して、周囲の人を驚かせることも珍しくありません。
しかし、その手の発言が人を気味悪がらせると理解できるのもHSP。
奇異に見られないため、わかっていても発言を控えることも多いでしょう。
HSPの才能④「共感能力が高い」
自分以外の人が誰かに激しく怒られているのを見るだけで、己が責められているような気持ちになるのがHSP。
それだけ共感能力が高いのです。
HSPの共感性の高さは、ミラーニューロンの働きの強さが関わるのでは?
また、他者の痛みを自分のものとして感じる理由として、ミラーニューロンの活性化や、内臓感覚の感受性の高さなどが考えられる。
ミラーニューロンは、他人の情動を理解する際に脳内で活発に稼働する神経のこと。
「HSPの共感能力の高さは、ミラーニューロンが働きすぎているのが原因では?」
というのは説得力の高いロジックですね。
HSPはサイコパスの真逆。気持ちがわかりすぎる人達が、思慮深かったり他者を包み込む優しさを有しているのは当然でしょう。
HSPの才能⑤「芸術性や創造性に優れている」
芸術家やクリエイターの世界は、他分野よりもHSP率が高め。
空想力、想像力がずばぬけているHSPは、芸術的であったり創造性が求められる分野で大きく花開くことが度々あります。
シビアな現実よりも、ファンタジックな世界を愛するのがHSP。
脳内で無限に広がったイマジネーションの活かしどころを発見できたHSPは、他者の追随を許さないほど才能を開花させます。
HSPの才能⑥「好奇心旺盛」
好きなことを追求しすぎるほど追求するのがHSP。それは全て、好奇心のなせるわざ。
探究心に富んでいるため、特定のジャンルに対して異常なほどマニアックを持つHSPも少なくありません。
つまり『オタク』と呼ばれる人の中には、HSPが数多くいるということ。
普段は物静かなのに、得意なジャンルになると多弁になるHSPもたくさんいます。
また他人の話を聞いていて、アンテナにひっかかると前のめりになり「詳しく教えてもらっていいですか?」と尋ねるのもHSPあるあるです。
【HSPの筆者が、HPS男性にエニタイムフィットネスでの筋トレをすすめる4つの理由▼】

HSPに向いてる仕事・適職7つ
HSPの才能が明らかになったところで、次に向いてる仕事について説明します。

何か良い仕事があればいいな~
とお仕事探し中のHSPさんは、ぜひ参考にしてくださいね!
【参考記事|HSP男性と恋の相性が良い女性、悪い女性のタイプ▼】

HSPに向いてる仕事・適職①「物書き(作家・ライター)」
クリエイティブな分野で能力を発揮しやすいHSPは、物書きに適正があります。
小説家の中にもたくさんのHSPがいるでしょうし、フリーランスでライターをしている人もかなりいます。
自由に時間を使えて、多くの人と関わる必要がないという環境もHSPにはありがたい点。
会社に勤めたあと、自身のHSP特性を知って独立。物書きのジャンルへと転身して成功するHSPもいます。
【参考記事|HSPの僕が作家・小説家養成塾に通った体験談▼】

HSPに向いてる仕事・適職②「校正」
こちらも文字に関する仕事。細かいことに神経が行き届くHSPは、文字チェックが得意!
誤字脱字の有無を発見する仕事である校正は、HSPにとってかなり適職。
こういった細かい作業は、得手不得手がはっきり分かれるもの。
校正の作業に没入し、ゾーンに突入するのもまたHSPあるあるです。
HSPに向いてる仕事・適職③「カウンセラー・セラピスト」
HSPは優しい雰囲気を持っており、聞き上手。
これらの特性を活かせるのが、カウンセラーやセラピストです。
会社と違って多人数でいる必要がありません。クライアントとマンツーマンで話せる空間は、HSPにとって居心地が良いはず。
他者の気持ちに短時間で深くフォーカスできるため、親身になれます。
早い段階でラポール(信頼)を築いて、長い期間に渡って、クライアントとの間に良好な関係を築ける人も多いでしょう。
普段から傾聴するスタンスを持っているHSPからすれば、「聴く」ということはなんら苦ではありません。
ただしクライアントに共感しすぎると、著しく消耗することも…。
仕事は短距離走ではなく、マラソンのようなもの。
継続的にカウンセラーやセラピストをするなら、自身のキャパシティーとコンディションのチェックを怠るのはNG。
常に良いパフォーマンスを発揮できる状態でいるため、疲弊しないようにスケジュールを組むことが大切です。
HSPに向いてる仕事・適職④「アナリスト」
左脳が発達しているHSPには、アナリストがおすすめ。
HSPの中には『分析オタク』と称される人たちも。
膨大なデータを脳内にインプットし、筋道立てて論理的な説明をスラスラしてしまう強者も。
対人関係で消耗しやすいHSPですので、人ではなく様々なデータと向き合ってお金儲けができるのは理想かもしれません。
俯瞰で物事を見れる能力が高ければ、アドバイザー的なコンサルポジションで能力を発揮しやすくなります。
HSPに向いてる仕事・適職⑤「教える業務(先生、講師、コーチ)」
他者の気持ちが手に取るようにわかるということは、どう伝えれば理解できるか導き出せるということ。
よって「先生」「講師」「コーチ」といった仕事に適正があります。
あまりに教える人数が多かったり、10代のエネルギッシュな子どもたちを相手にすると「消耗してしまう…」というHSPには、マンツーマンの個人コーチングがおすすめ。
最近では『サイタ』のように、何らかの得意ジャンルさえ持っていれば気軽にコーチ業へチャレンジできるようになっています。
踏み出すには勇気がいるものの、「やってみると、すんなりはまった!」ということもきっとあるはず!!
HSPに向いてる仕事・適職⑥「キュレーター」
芸術的なセンスに秀でているHSPは、キュレーターにチャレンジしてみてはいかがでしょう?
キュレーターとは、欧米の美術館において、展覧会の企画や作品収集といった仕事に従事する専門的知識を持つ人達のこと。
好奇心旺盛なHSPは、ひとつのジャンルをどこまで掘り下げます。
そして持ち前の豊かな感性で、人の心を揺さぶる芸術性の高い作品の目利きが可能。
感性が重視される仕事は、先天的な能力が求められます。HSPは生きているだけで、日々感性を磨いているようなもの。
よってキュレーター業務に、HSPが向いていないわけがありません。
HSPに向いてる仕事・適職⑦「マッサージ師などの施術者」
HSPがセラピストに向いていると記しました。
セラピストを和訳すると、治療士、療法士という意味になります。
マッサージ店や整骨院は複数の同僚と働く環境ですし、お客さんもひっきりなしにやってくる店舗もあるでしょう。
こういった場所でHSPは激しく消耗します。
エステやマッサージは、マンションの一室で開業することも可能。
客数もある程度、調整できますし、お客さんを待つ間はひとりでゆったりとした時間を過ごせます。
もちろん宣伝や集客などを頑張る必要がありますが、

あの人は丁寧だし腕が抜群♪
と評判になれば、安定した収益を確保できるでしょう。
施術を生業にしている個人事業主の何割かはHSPである可能性があります。
【参考記事|HSPと睡眠の関係!よく寝るのはHSPにとって大正解▼】

HSPがイライラしやすいのは自閉症、発達障害、ADHD、アスペルガーと関連あり?
HSPは、よく発達障害やADHDと似ていると指摘されます。
HSPについて詳細にまとめてあるサイトから引用しましょう。
HSPはこれまで説明したように刺激に対して敏感です。
発達障害の人が知覚過敏なのと似ています。しかし、発達障害とHSPには大きな違いがあります。
それは「周囲との関係性」です。例えば、大人の発達障害の1つであるASD(自閉症スペクトラム・アスペルガー症候群)は「社会的コミュニケーションの難しさ」と「独特のこだわり」が特徴です。
ASDの場合は集団に馴染めなかったり、一度築いた関係を維持することができないため「空気が読めない」と言われがちです。
一方でHSPはその真逆です。人の気持ちに敏感で空気を読みすぎるほどに読む特徴があるのです。
HSPと発達障害・アスペルガーの人は、知覚過敏、感覚過敏が共通点。
しかし他者に対する気持ちに対しては、反応が正反対。
スイッチが入ると周囲が見えなくなり、ひとりしゃべりに没頭してしまいがちになるのは発達障害者やADHDの人達。
「しゃべりたい欲」が抑えられず、会話泥棒になって周囲を困らせてしまうこともあります。
一方のHSPは、他者の顔色の変化に敏感。

どうも、この話に対する反応が悪いわ
と思ったら、すぐに別の話を展開したり、あるいは「あなたはどう思うの?」と質問したりするのがHSP。
感覚が過敏すぎるため、ノイジーな声質、大声などについイライラした反応を見せてしまうHSPが一定数います。
【会話泥棒に関する記事はコチラ▼】

HSPと自閉症、発達障害、アスペルガー、ADHDが持つ感覚過敏とは?
HSP(ハイリー・センシティブ・パーソン)は、アメリカの心理学者であるエレイン・N・アーロンの提唱した概念です。生得的な特性として、高度な感覚処理を持つ、人一倍敏感な人という意味です。共通してみられる特徴は、音、光、匂い、人混み等の刺激に対して敏感で、普通の人より強く反応する人のことを言います
HSPは音、光、匂い、人混みなどの刺激に敏感。これに似た特性を、発達障害者も持っています。
HSPと発達障害者に、共通するのは服のタグに対する嫌悪。
襟首にあるタグのチクチクが、HSPやアスペルガー、発達障害者には耐えられないことも。
触覚が敏感すぎると、タグ外しどころか肌触りの良いスベスベの衣類しか袖を通せなくなります。
HSPと発達障害者は、こういった生きづらさを抱えています。
しかし、だからといっても双方がイコールで結ばれるわけではありません。
苦手分野が似通っていると考えるのが正解です。
【関連記事|HSPとadhd&発達障害の相性が、すこぶる悪い理由▼】

HSPの才能は開花するとものすごい!
HSPに必要なもの。それは治療やネガティブな捉え方ではなく、周囲の理解と才能を発揮できる環境です。
少数でもかまいません。

この人達は私のHSP特性を理解してくれている♪
と思える人がいるだけで、HSPの生きづらさは軽減。
そして、その繊細すぎる感性を仕事で活かすことができれば言うことなし!
HSPは欲望に振り回されず、平和や調和を大切にする気品あふれる人々。
目立つことはありませんが、確かにそこへひっそりと存在しているのです。
HSPに生まれたことは悲劇ではなく、喜び。
多くのHSPがそう感じられることを願い、終わらせていただきます。
最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。
HAPPY HSP♪
【HSPとしての生き方や仕事に対する体験談の記事はコチラ】

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